ふと夜空を見上げてみると、満点の星空に圧倒されることがあるだろう。本学にはそんな星や宇宙について研究している団体が存在する。理工宇宙科学研究部、通称天文部だ。今回は代表の芹生朝(せりう あさ)さん(化生3)に話を聞いた。
天文部の活動は主に2つ。奥多摩や青梅に出向き、望遠鏡などの専門器具を駆使して星を眺める観測会と、青山祭でのプラネタリウムの製作だ。プラネタリウムはドーム状の骨組みを組み立て紙で覆い、そこに穴を開けることで作られる。手作りなので完成までに3か月程度の時間を要するが、完成したプラネタリウムを見るときの達成感は何事にも代えがたいと芹生さんは話す。それ以外にもクリスマス会やスキーなど季節のイベントも開催している。
しかしコロナ禍の影響が天文部を襲った。宿泊を伴う活動が本学より禁止されたことで観測会は中止となり、青山祭がオンライン開催になると、プラネタリウムを作ることも叶わなかった。今年1年を振り返って芹生さんは、「何も活動ができなくて悔しかったし、何より現2年生に申し訳なかった。今年度は大学の構内で観測を行ったりして、活動を増やしていきたい」と話した。
芹生さんが天文部に入部した理由は、小さい頃から星が好きだったから。今でも年に数回プラネタリウムを見に行き知識を深めたり、明石市の標準時子午線など宇宙関連の名所を訪れたりしているという。「星好きの友達もたくさんいるので、プライベートで旅行に行ったりすることもある」と笑って話してくれた。
天文部の魅力について芹生さんは、「学年を越えた縦の繋がりが強いのがこの団体の魅力」と語った。また天文部という名前を聞くと、理系の部員がほとんどを占めると思われるが、実際には3割程度文系の生徒も所属しているという。「専門的な知識が無くても十分に楽しめるので、気軽に遊びに来てほしい」と最後に新入生に対してメッセージをくれた。目の前のことで精一杯になりがちな大学生活、上を見て星空を眺めてみるのも良いのではないだろうか。