本学にはユニークな学部が複数存在する。教育人間科学部や国際政治経済学部、総合文化政策学部、コミュニティ人間科学部、そして、今回取り上げる地球社会共生学部である。
昨年度はコロナ禍により、学生たちがさまざまな苦境に面した年であった。特に、留学を必修とする地球社会共生学部の学生への影響は少なくなかった。
地球社会共生学部の特徴は、アジア圏への留学が、カリキュラムの柱になっていることである。地球社会共生学部に所属する学生は、2年次後期の学部留学を必修とされており、その準備として、1、2年次に留学準備セミナーと基礎演習という授業が必修として設置されている。
行き先は主にタイかマレーシアであるが、アジア圏への留学ならば、認定されれば他大学であっても卒業可能である。また、学部間留学は学校ごとの選考はあるものの、基準を満たしている学生ならば全員留学に行くことができる。
しかし新型コロナにより、昨年度の後期派遣は中止となった。それを受け、地球社会共生学部の2年生は、3年次にインターンシップやゼミなどを諦めてでも留学するか、代替措置を受けざるを得ない状況となった。代替措置の申請には、留学辞退届と、学部留学中止に伴う選択届の提出が義務となっている。
留学中止による代替措置は主に6種に分かれていた。そのうち2つが国外、3つが国内、そして自己申告制のプログラムであった。しかしコロナ禍の収束が見受けられないことから、学部推奨の国外への短期留学プログラムは取り消しとなり、学部紹介の短期留学やインターン、ボランティア等を含めた国外での活動も、3月25日現在では実施の可否が決定していない状態にある。
国内のプランとしては、学部紹介のオンライン留学、国内語学学習等プログラム、そして他学部主催の短期研修やインターンシップへの参加プログラムがある。
また、補助金について、学部推奨短期留学プログラムは30万円から35万円相当の補助が学部から支給され、それ以外の選択肢は、上限30万円まで補助金が出ることとなっている。これらの代替措置は2023年3月末までのプログラムであれば、補償の対象となる。
筆者(地3)もタイのタマサート大学への留学が中止となってしまった。本来ならばそこで得られたはずの交友関係や知見が失われてしまい、とても残念に感じている。実際の留学と比較すると、代替措置で得られるものは十分なのかどうかという疑問は残るが、仕方がないだろう。ただ、来年度以降の学生が同じ思いをしないことを切に願う。