新型コロナウイルスが猛威を振るう中、日本では新学期を迎え、日本の大学の多くが、対面とオンラインのハイブリッド型ではあるものの、およそ一年ぶりとなる対面授業を再開した。対面授業再開に当たり、大学側は、完全な感染対策が求められ、今なお各大学はより効果的な対策を模索し続けている。

 海外の大学ではどのような対策が講じられているのだろうか。本学の協定校である米国のフロリダ大学では、現在は日本と同様にオンラインと対面のハイブリッド型で講義を行っているが、秋学期にはワクチンの効果によって全面的に対面授業を再開できる見通しだ。フロリダ大学のホームページ内には、ワクチンについてのページも開設され、大学側もワクチンを接種することを推奨していることがわかる(フロリダ大学ホームページより)。
 また、フランスのパリ大学では、原則、オンライン講義を行っている。ただ、研究などを進めるため、ロックダウン中も大学は開いている。しかし学校の施設を利用する際には、マスク着用の義務、ソーシャルディスタンスの確保など細かなルールが決められている(パリ大学ホームページより)。
 さらに、日本と同じ島国であるニュージーランドのヴィクトリア大学では、国の感染状況を表すレベルによって、授業形態が変化する。比較的緩い、レベル1と2の時は、オンラインと対面のハイブリッド型、厳しい、レベル3の時はオンラインでの講義が行われる。臨機応変に対応する仕組みが整っている。そして、入国制限によって大学に通えない生徒に対して、一学期の授業料の内、3割を免除する仕組みも存在する(ヴィクトリア大学ウェリントンホームページより)。
 このように勉強環境が整わない学生を支援する制度も作られているようだ。各国によって感染対策に多少の違いはあるものの、どの国も今大学にできる最善の手段を尽くしていることに違いはない。

 日本では先月27日、3度目の緊急事態宣言が出された。抜本的な感染対策が存在しない今、一人一人が終息の為に協力することが求められる。これからも我慢が続くだろうが、辛抱しなければならない。穏やかな日常が戻ることを願うばかりだ。