本学総合文化政策学部で開講された情報環境論Ⅰ。その履修者を対象に、電子商取引(EC)プラットフォームshopify の教育システムが提供された。成長を続けるEC。その未来を担う人材育成について話を聞いた。
地域や国を超えたビジネスの展開も期待できるEC―電子商取引―。実店舗を持たず、オンライン上で出店できることから近年の成長は著しく、今後の発展も期待されている。しかし、一見難しい言葉が並び、その実態を認識しにくいことや実店舗を持たないがゆえに商品の魅力を伝えにくいことから、事業者の進出が進まない現状もある。購入者としての利用者は増える一方、販売者側には出店に際しての心理的な障壁があることも確かだ。そこで、未来のEC分野で活躍する人材育成を目指した本学総合文化政策学部へのシステム提供が行われた。
総合文化政策学部が提携したのは、日本法人Shopify Japan株式会社。ネットショッピングを立ち上げる際のシステムを提供し、出店者のサポートも行っている。講義ではECにおけるマーケット展開の基礎を学ぶため、Shopifyが3か月間無償で提供した教育プログラムを活用。履修者自身が教育用アカウントでネットショッピングのシステムを作った。
またShopify Japan の認定教育パートナーの塩澤耕平さん、そして同社コミュニティー&パートナーマーケティングの石田浩平さんを講師に招き、出店者へのサポートに携わってきた見地から履修者へのアドバイスも行われた。
石田さんはECのデメリットについて商品を実際に体験できないことを挙げ、「いかに商品を魅せていくかが課題となる」とECならではの困難を語った。また塩澤さんは「インターネット上でも接客の基本は変わらない。店頭に立ったつもりでECを捉えれば、もっと楽しくなる」と助言。時代の先駆者としてECを展開していく上で、学生時代の豊かなアイデアと吸収力を生かしていくことが大切とした。
講義を担当した宮田和樹先生は「様々な形態でマーケット展開を実現できることがShopifyの特色。教育プログラムを使用できたことで、履修者に合わせた学びがあったことがよかった」と語る。Shopifyでは様々な規模のシステム構築ができるため、個人に合った形のアプローチが可能になる。学部における総合的なプラン設定をベースにした学びの体系と、Shopifyの形式が合致した。宮田先生は「授業を活かし、作り手として活躍してほしい」と未来のECを担う学生たちにメッセージを残した。