語楽 354号

 世の中に恐ろしいものはたくさんある。小さいものならGの名を冠する黒光りするあの虫は恐ろしい。大きいものでいうなら地震は恐ろしい。架空の存在なら悪魔はおそろしいだろう。まんじゅうが恐ろしく、怖くてたまらない人もいる。

 では、学生である我々にとって一番恐ろしいものはなんだろう。課題だろうか。それは違うと断言しよう。課題そのものは「恐らく」違うはずだ。ならば教授が怖いのだろうか。それはそれで違うような気もする。では、我々は何に対して恐怖を抱いているのだろうか。

 それは〆切だ。正確に言うならば、〆切を起点として、その後に我々を襲う数多の絶望だ。落単、留年、失望。体験したことなどないのに、考えるだけで空恐ろしいことこの上ない。

 「それ」が見えたら終わりというキャッチコピーの映画があったが、今となってはその「それ」が〆切にしか思えない。ああノストラダムスよ。お前は400年先の未来に恐怖を予言したようだが、私は今、刻一刻と近づいてくる〆切の方が怖い。

 とはいえこの文も終わりに近づいてきた。途中煩悩が溢れ出てきたが、固い意志で去ってもらった。今の私ならば悟りも開くことができるかも知れぬ。

 ああ、やっとこの地獄から逃れられるのか。私の前にはウェルギリウスもベアトリーチェも現れなかったが、無事に天国へと導かれたようだ。

おや、メールが来たようだ。題名は…レポート提出期限通知とな。(皓)

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