8月にルーマニアで行われた世界サブジュニア・ジュニアパワーリフティング選手権2021で本学の金子将也(英3)が93キロ以下級ジュニア部門で3位になり、銅メダルを獲得した。いかにして世界3位になったのか。その秘密を迫る。

 コロナ禍での国際大会で多くの制約を強いられた。日本人は金子一人でコーチすらつかない状況だった。「ルーマニアの多く人にサポートしてもらった」と感謝を述べつつも「コーチがいないから連携が難しかった」と振り返る。また、日本を出発してから72時間以内に戻って来なければいけないという時間的制約もあり、コンディショニングも難しかったという。「到着してすぐ大会だった。移動中でもタンパク質をとった」と限られた中でも工夫してコンディションを整えた。厳しい状況の中でも、自分のやれることを精一杯やったことが世界3位という輝かしい結果につながった。

 これは今大会に限ったことではない。金子は普段から、逆境に立たされても動じないのだ。昨年から続くコロナ禍。多くのアスリートが練習や試合ができない状況に苦しめられた。その中でも金子は「自粛期間のおかげで成長できた」と常に前を向いていた。1年半前の自粛期間。多くの人がネガティブな感情を抱いたに違いない。しかし、金子はそこをプラスに捉えて自身の成長に繋げたのだ。「オンライン授業になって学校にいく負担も減った。より練習時間を増やすことができた」。

 金子はパワーリフティングでも活動しながら、アメリカンフットボール部にも所属している、まさに二刀流だ。今大会で3位になったときも「アメフト部の人たちが喜んでくれた。それがとてもうれしかった」と金子にとっては彼らの存在が心の支えとなっている。身体的負担がある中、2つの競技を続けるのも、仲間の存在があるからだ。

 次なる目標はアメフトで活躍して賞をとり、パワーリフティングでは世界一になることだ。さあ、新たな二刀流伝説が幕を開ける。