

昨年のオンライン開催を経て新たな出発を迎えた青山祭。そのテーマソングにsailの「ONE」が選ばれた。活動の時間や場所が限られる中、困難を乗り越えて作り上げた楽曲の制作過程について話を聞いた。
sailのメンバーが集まったのは今年の6月。ベースを担当する横谷悠さん(総4)が、所属する青山ジャムセッションの中で小山愛由さん(短大卒)、津田隆久さん(済4)、稲葉潤さん(総3)、古川颯也さん(国コ2)に声をかけた。「演奏技術だけで良い楽曲はつくれない。信頼関係も重要になる」と語った横谷さん。ビジョンを共有する中で生まれる共感がより良い楽曲につながると考え、信頼できる仲間を集めたという。楽曲制作ではオンラインでの活動も併用。いくつもの案を出しながら音楽に向き合う日々を通して互いの結束も強くなった。完成形が見えたのは締め切りの5日前。奮闘したからこそ納得いく楽曲が完成した。
そんな「ONE」には昨今の情勢を反映した歌詞が多く登場する。横谷さんと共に作詞を担当した津田さんは「テーマソングとしてテーマに合った明るい曲を作りたかった」とした一方、「『ONE~紡ぐここから~』の青山祭テーマに自分たちの状況を重ねる部分があった」と語る。制約に苦しみながら新たな出発を果たした5人。困難を乗り越えたからこそ楽曲を聞く人の出発を後押しできる歌詞ができた。ボーカルの小山さんも、「現実とリンクする歌詞をテーマソングとしての明るさと重ねて表現するため、何度も歌詞の意味を考えた」と振り返る。それぞれが曲と真に向き合った分、テーマソングに選ばれた喜びも大きくなった。
「音楽という広く深い海を、どこまでも自由に進んでいく船の帆でありたい」。sailという名前には熱い思いが込められている。どんな逆風の中でも進み続ける。そんな強い意志と共に青山祭のテーマを体現する楽曲が仕上がった。青山祭でのステージと今後の活躍が楽しみだ。