今年度より、本田技研工業株式会社(以下Honda)に入社した今田亮さん(20年度・理卒)。幼いころからHondaへの憧れを抱いていたという。就活では、その思いの強さからHondaを含め3社に照準を絞り、見事Hondaへの就職を果たした。

苦労の末完成した車両

 本学在学中は学生団体「学生フォーミュラ」で代表を務め、学生のみの力で車両の設計から製作までを行っていた今田さん。活動を通して当事者意識を持つことが重要だと学んだという。「プロジェクトを進めるなかで妥協を繰り返し、いつの間にか当初の目的を見失ってしまうことがある。そのなかで自身が当事者としてどうしていくべきかという意識を持つことが大切だと気が付いた」と語った。資金繰りや技術の継承など様々な困難にぶつかったとき、本来あるべき姿を認識するよう心掛けていた。決して楽な道のりではなかったが、自分自身に軸を持ったことで成功への道が次第に開けたという。

 自分がどうしていきたいかという意識は就活の面接でも役立った。面接練習を始めた頃は、「聞かれたことへの模範解答を探していた」と、自分の意見ではなく面接官の求める答えを探していたと話す。しかしOBからアドバイスを受け、何よりも自分がどうしたいかという意思をはっきりと持つことが重要だと気がついたという。「考えの理由を説明できるほど明確な意見が言えることがベスト」だとし、「その結果として企業理念との重なりが生まれることが理想」と話した。

 また企業が開催するイベントへの積極的な参加やOG・OBとの交流も大切な要素となった。そして後付け推薦制度を利用したことで志望順位もはっきりした。準備を重ねるごとに不安になることもあったが、そんなときは「面接官との相性など運要素もある」と割り切って構えたという。 考えの軸を明確にし、常に当事者意識を持つ。我々にも通じる大切な学びだ。