昨年の箱根駅伝では総合4位に終わった本学陸上部長距離ブロック。昨年10月の出雲駅伝、同11月の全日本駅伝では、いずれも2位としばらく優勝から遠ざかっているだけに、「青学史上最高」チームの真価が問われる大会となった。大会前、原晋監督は「(箱根駅伝では)必ず優勝します」と力強く答え、恒例の作戦名を「パワフル大作戦」と銘打った。
【1月2日・往路】
1区
当日変更で全日本駅伝でも1区に起用された志貴(教2)が出場し、区間5位の好走をみせた。5キロ過ぎから独走態勢に入った中大・吉居の影響もあり、昨年に比べてハイペースで推移した1区。原監督が評価する「積極性」を武器に「パワフル大作戦」の先陣を幸先よく切った。
2区
花の2区には5000メートル、1万メートルの青学大記録を持つ近藤(営3)が出場した。出雲駅伝で1区区間賞、全日本駅伝では日本人学生トップランナーの駒大・田澤に食いつく走りをみせたエースが箱根駅伝も好走。終盤は苦しそうな表情を浮かべながらも区間7位で順位を2位に押し上げた。
3区
原監督はルーキーの太田(コ1)を抜擢し、区間2位の走りをみせた。4キロ手前で東京国際大の日本人エース丹所に抜かれ順位を一つ落とすも、その後は丹所の後ろを追走。13キロ付近で1位の駒大に追いつくと、18キロ付近で丹所を振り切り、初めて単独トップに立った。
4区
上り基調の4区では箱根路の経験豊富な主将の飯田(総4)が出走した。タスキを受け取った時点では後続とわずか12秒差。しかし、ここから2位の東京国際大に1分23秒差をつけ、青学独走への布石を作った。
5区
原監督は出雲駅伝、全日本駅伝にいずれも出場したルーキーの若林(地1)に山登りを任せた。期待に応えた若林は後続を引き離す快走。区間3位の快走をみせ、まずは2年ぶりの往路優勝を果たした。
【1月3日・復路】
6区
昨年も同区間に出場した髙橋(国経4)が最後の箱根路に挑んだ。最後まで独走を続けた髙橋は区間8位でタスキを渡した。
7区
2年前の箱根駅伝2区で1年生歴代1位の記録を残した岸本(社3)が本学にとって今大会初の区間賞。ケガで苦しんだ「駅伝男」が完全復活の走りをみせた。
8区
全日本駅伝5区で区間賞を獲得した主力の佐藤(総2)が区間2位の力走をみせた。
9区
昨年、花の2区を走った中村(総3)が裏の9区で区間新記録を樹立した。
10区
昨年も同区間を走り区間4位だった中倉(社3)が大手町へ。9区の中村に続いて区間新記録の走りをみせた。
総括
本学は16人のエントリーメンバー全員が大学トップクラスとされる1万メートル28分台の選手でそろえ、選手層の厚さを武器とした総合力で他大学の追随を許さなかった。岸本や佐藤ら、チームの主力を往路につぎ込むという予想が関係者から多数出るなか、太田らルーキーを抜擢し、見事往路優勝に導いた原監督の采配は見事だった。結果的に復路は経験豊富な主力でそろえ、危なげない試合展開で大会新記録での完全優勝を果たした。