生理の貧困など社会的に「生理」が注目されている昨今、本学では1月31日まで生理用品の無料設置が行われている。設置に至るまでの背景を発案者でもあるTetoteプロジェクト代表、下村円香さん(マ3)に聞いた。

Tetoteプロジェクトの皆さん

 下村さんがこのプロジェクトを立ち上げたきっかけは、他大学で同じ活動を行う学生の「トイレットペーパーと同じように生理用品がトイレにあってもいいのではないか」という言葉。その言葉にインスピレーションを受けたと語る。また学生へのアンケートで金銭面だけでなく、「トイレに生理用品がなく不便だ」という声が多かったそうだ。そのため、安心して学生生活を送ってほしいという思いもあり、生理用品の無料設置の活動を始めたという。

しかし、プロジェクトの意義を伝えることが大変だったと語る下村さん。「『生理=話しづらい』というイメージがある中、生理へのタブー意識を減らせるように、また押し付けにならないようにできるだけ寄り添った表現にするなど掲示するポスターの制作を工夫した」と話す。今回、生理用品を設置しているのは17号館1階のトイレ。女子トイレだけでなく、男子トイレや多目的トイレにも生理用品を設置している。そのため予備知識がなくてもわかりやすいポスターの制作も心掛けたそうだ。

男子トイレへの生理用品の設置に関して「違和感や不快感を覚える人もいるかもしれない」と話す下村さん。しかし、トランスジェンダーやインターセックスなど多様な性の在り方がある中、本学にもそのような人がいる可能性があると考え、設置しているそうだ。「多様な性に対してのトイレの使用には答えがない。そのような人たちに使ってほしいし、パートナーのため、家族のためにも、多くの人に必要な生理用品が届いてほしい」と話す。

 今後について下村さんは「アンケート調査を再度行って、賛成が多ければ、生理用品の常設に向けて活動していきたい。また大学公認団体の申請をし、生理だけでなく、ジェンダーや性教育などの社会で起きている問題についてもより広く学んでいきたい」と語る。このプロジェクトを通して、学生が手と手を取り合って一緒に生理について学んでいけるようになってほしい。