昨年12月19日に、青山学院講堂で第46回オール青山メサイア公演が開催された。毎年クリスマスの時期に実施されている公演だが、どのような歴史があるのか。この疑問に対し、オール青山メサイア公演実行委員長の山崎圭資さん(比4)は丁寧に答えてくれた。
オール青山メサイア公演の歴史は古く、1976年まで遡る。新型コロナウイルスの影響で2020年の公演は中止となってしまったが、昨年は無事開催することができた。「実に半世紀近くにも及ぶオール青山メサイアの歴史を復活させることができ、ほっとした」と山崎さんは語る。
本公演は、元々クリスマスにヘンデルの『メサイア』を演奏しようと、本学の管弦楽団と合唱団が集まって開催されたものだという。現在でもその形式は変わらず、毎年圧巻の演奏を披露している。また公演の開催にあたって、毎年プロの独唱者4名、指揮者1名を招いている。管弦楽団と合唱団がそれぞれ1年おきに演奏者を選び、招待しているそうだ。昨年の公演では、管弦楽団側が演奏者を選出したとのことだ。
しかし2年ぶりとなった昨年の公演は、今まで通りとはいかなかった。開催にあたり最も重要視されたものは、一昨年の公演を阻んだ新型コロナウイルスの感染対策である。金管楽器の演奏者などマスクの着用が難しい公演者以外にはマスクを着用させ、隣と距離を取るよう配置した関係で、例年より小規模で実施せざるを得なかったそうだ。それでも来場者は座席の8割にも及び、公演は無事終了した。
「伝統を絶やしたくない」と何度も話す山崎さんだが、そこには管弦楽団、合唱団ともに部員が減少している背景があった。公演の開催においても、OB、OGに頼らざるを得ない現状がある。「毎年の公演を多くの人に知ってもらいたい」と山崎さんは話した。
最後に「時代に合わせて形態を変えながらも、伝統あるこの公演を続けていきたい」と山崎さんは語った。今度のクリスマスでは、どのような音色が聴けるのだろうか。今から年末が楽しみだ。