本学卒業後、株式会社パロマに入社。37歳で代表取締役社長、51歳で代表取締役会長に就任し、日本の経済界を支える小林弘明氏(92年度・営卒)。そして本学が誇る、言わずと知れた名将、原晋監督。それぞれの分野で先頭に立ち活躍する二人が語り合った。
まず「目標を設定したうえで、組織の風通しを良くすることがリーダーとしての務め」だとした小林氏は、「褒められたいと思うことが挑戦への原動力」と話した。原監督も「その通り」としたうえで「ただ勝利を求めるのではなく、プロセスでも勝つ必要がある」とリーダーが目指す勝利の在り方を語った。
また先陣を切って進むなかで、失敗を恐れてしまう気持ちに対し、「誰も成功すると思っていないところにこそチャンスがある」と自身が監督に就任した当時を思い返しながら挑戦する大切さを語った原監督。これを受けて小林氏も「もっと野心をもって暴れてもいい」とメッセージを送った。そして「失敗を分析して次につなげれば、失敗を恐れる必要はない」とし、「経験を積む中で仕組みを理解すれば応用が利き、できることも増える」と一歩を踏み出す重要性を語った。
今回の寄付に際し「かつて様々な場面で、たくさんの方々に支えてもらった」と語った小林氏。「次は自分が支える役目を担い、恩返しをしたい」と寄付の志を持った。また、6年ほど前に50人から60人ほどの学生を支える財団をつくった経験も、今回の寄付のきっかけとなった。
小林氏の寄付をもとに「小林弘明基金」として設立された基金は、10億円を元本に運用益を将来にわたって本学に通う学生のために使用される。「常に新しい可能性を求めて挑戦を続けて欲しい」。小林氏の思いが未来を担う学生の挑戦を大きく支える。