青山学院女子短期大学図書館が3月31日をもって閉館する。長年在学生や卒業生、教職員に親しまれていたが、女子短期大学の学科学生募集停止に伴って閉館が決まり、2月3日が最後の開館となった。

女子短期大学図書館の文庫書架

女子短期大学(以下短大)学長であり、図書館長の河見誠教授、かつて短大図書館に勤務していた研究推進部研究推進課の大石弘美さん、学術情報部図書課の加藤恭子さんに短大図書館について聞いた。まず、短大図書館の歴史を振りかえる。

短大の開学当時は独立した図書館棟がなく、共用として間島記念図書館、短大専用として短大2階に図書室があった。その後、独立した図書館棟として短大図書館が1966年に開館した。1986年には増築され、現在の短大図書館となった。

所蔵資料は短大の学科構成に合わせて、人文科学・幼児教育・芸術関係の資料が充実しており、地下1階の文庫書架には約1万冊、絵本書架には約6千冊所蔵している。短大開学当初は約3千冊余りだった蔵書数は、約33万冊まで増え、国内の短期大学の中でも一番の蔵書数を誇っていた。今後、短大図書館の蔵書は万代記念図書館、新図書館の各図書館へ移管される予定だという。

また、地下1階には貴重書室があり、所蔵されている貴重図書は毎年、短大内のギャラリーにて展示会を行っていた。その際、展示物について解説を行う「ギャラリートーク」は、会場が人で埋まってしまうほど好評だったそうだ。これらも新図書館に移管される。

短大図書館は、短大生以外に本学学生も利用できた。そのため教育実習前にはかなりの数の絵本が利用されたという。実習後は返却図書が山になり返却台からあふれるほどだったそうだ。

短大図書館の思い出について大石さんらは「短大の授業ガイダンス(授業時間を利用して授業内容に沿った内容で図書館資料の使い方を説明するもの)が年間60件、参加者数のべ一千百名に対して職員3名で行い、大変だったが、授業ガイダンス後の利用者数が急増したことを覚えている」と話し、「短大図書館は、多くの美術作品に囲まれている。作品のほとんどが短大で教鞭をとった先生の作品だ。貴重書室にある『ジャンヌ・ダルク』は短大図書館で司書として長きに亘り勤務した元職員(本学卒業生)からの学生のための多額な寄付金により購入した。ぜひ閲覧してほしい」と語った。

最後にいつから資料が利用できるのか聞いた。加藤さんによると、大量の資料を各図書館に移管するため、2022、23年度はその準備期間となっている。この間の利用については現在検討中のため、決定次第図書館ウェブサイト等に掲載されるそうなので、ぜひ確認してみてほしい。

短大図書館には2024年4月の新図書館開館まで、移管作業のために資料が置かれるが、その後建物がどうなるかはまだ決まっていない。新図書館が開館し、短大図書館の資料やコレクションを閲覧するのが今からとても楽しみだ。