コロナ禍も2年目に突入し、大学においても新しいスタイルでの日常が確立しつつある。2021年度の振り返りと2022年度の展望、新入生へのメッセージを阪本浩学長に聞いた。
学長は2021年度を「コロナ禍での授業も2年目を迎え、教員も学生も少し落ち着いてきた」と振り返った。学生や保護者から寄せられる様々な意見や要望への対応に気を配ったという。新年度の授業体制としては、「政府の方針にもよるが、基本的に対面式通常型授業。ハイブリッド式授業やオンデマンド型授業も併用していく」そうだ。
それでは、学内の感染対策はどう講じるのだろうか。学長は、教室内の貼り紙や隣と間隔を空けての着席、消毒、学食におけるパーテーション設置や黙食の呼びかけなどを挙げた。本学では今まで一度も教室内でのクラスター発生が確認されていない。学生一人一人が感染対策に気を配って大学生活をおくることも大切だろう。
4月から新たに入学する新入生へ「まずは、キャンパス通いを前提とした授業体制を理解してほしい」とし、「ICTの活用も行っていくので各自のネット環境の整備もお願いしたい」と語った。しかし、本学の特長は自由な校風であるところだ。プロテスタント系キリスト教教育を土台としていること、都市型の大学であることの二つが相まって、自由な校風が1949年の大学開設から続いている。自由である一方、学生個々の責任も生じる。そのため学長は「自分自身で責任をもって物事を判断したり選択したりしてほしい」と語った。
大学で過ごす4年間は、一生に一度のかけがえのない時間だ。その4年間をどう有効に使えば良いのだろうか。「学業はもちろん、課外活動やアドバイザーグループなどに参加して、幅広くキャンパスライフを楽しむことが大切だ。学業に関して言えば、自分の専攻のみならず青山スタンダード科目などの受講をとおして学問の基礎となる教養を身に付けてほしい。リベラルアーツ教育は、生涯にわたって自分自身を導くものとなる」とアドバイスをくれた。
最後に、在学生を含む本学学生へのメッセージを聞いた。「不安を抱くことなく、より積極的に大学生活に取り組んでいってもらいたい」とし、「どんな状況であっても、仲間がいることを忘れないでほしい。『青学生』という一つの共同体であることを忘れず、そのつながりをもって共に歩んでいってほしい」とアドバイスをくれた。
長引くコロナ禍で遠出や留学ができず、不満を抱いている学生も少なくないだろう。しかし、何でもかんでもコロナのせいにするのではなく、「コロナ禍でも楽しかった、充実できた」と言えるよう、今できることを見つけて打ち組むことが大切なのではないだろうか。