本学管弦楽団の卒業記念演奏会が2022年3月16日、青山学院講堂にて開催された。本年度をもって卒業する66期が作り上げた晴れ舞台には多くの観客が詰めかけ、大迫力の音色が会場全体を包み込んだ。
セルゲイ・ラフマニノフ交響曲第2番ホ短調・作品27。プロでも演奏が難しいとされる楽曲だ。壮大かつ繊細な弦楽器の音色と管楽器の迫力ある音が重なり、会場全体を包み込む演奏が終わると、会場は大きな拍手に包まれた。
例年、卒業にあたり楽団内での演奏会は開いていたものの、今回のようなホールでの演奏会は開いてこなかった本学管弦楽団。しかし、2年間続いた活動の自粛や制限の中で公演を中止せざるを得ないなど、様々な制約に悩まされた66期の強い思いから特別な卒業記念演奏会が実現した。コンサートミストレスを務めた巣内まあやさん(22年・仏卒)は「実際に練習していたのは1カ月半程度。いつもよりもタイトなスケジュールの中で集中して練習した」と急遽実現した演奏会を振り返る。卒業式での演奏や新年度に向けた準備も控える楽団にとって、3月のこの時期に演奏会を開くことは異例。それでも、2020年度に中止となった演奏会で演奏予定だった楽曲を組み込み、66期の思いの詰まった演奏となった。
練習について「表情を見ながら演奏できなかったことも大変だった」と語った巣内さん。感染対策の一環として弦楽器奏者はマスクを着用していた本演奏会。表情を使って表現することが難しく、以前の感覚と異なった練習となったという。それでも、「お客様に演奏を聴いていただけたことが何よりもうれしい」と演奏会を振り返った。
また、ビオラを演奏した浅田萌さん(22年・心卒)は「未経験だったが、楽団の一員として練習する中で音楽を演奏する楽しさを知った」と語る。主体となって活動する3年生になり、すぐ始まった活動の制限に悩みながらも、工夫しながら練習を重ねてきた66期。4年間を通して演奏技術も絆も強まった。
最後に「一見してハードルが高そうに見えるオーケストラの演奏を、管弦楽団の演奏をきっかけに知ってもらえたらうれしい」と話した巣内さん。これからも続く本学管弦楽団の今後の活躍も楽しみだ。