27年の教師歴を生かす
日本史の伝道師
―大学時代の思い出は何ですか?
古美術研究会に所属して活動したことです。メンバーで京都や鎌倉の建築や仏像などを見に行っていました。
―史学科を選んだ理由を教えてください。
もともと歴史が好きだったからです。当時はバブルの絶頂で、青学はとても人気がありました。大好きな歴史をたくさん学べて本当に楽しかったです。
―どうして高校の日本史教師になったのですか?
テレビで「3年B組金八先生」を観たことで、教師になりたいと思うようになりました。高校時代に、「金八先生」が尊敬している坂本龍馬について書かれた『竜馬がゆく』を読んで感激し、日本史教師になろうと思いました。
―高校教師だったときからたくさんの書籍を執筆していますが、どのような経緯で執筆を始めたのですか?
教員になった当初、私は特別支援学校に配属されました。そこで勤務した3年間は、自分が好きな日本史を教えられないというジレンマを抱えました。そこで、自分自身で先祖のことや高校周辺の城の歴史を研究し、論文を書きました。その論文が賞を取ったことで、歴史研究や書籍の執筆を始めました。特別支援学校の次は定時制高校の教員となったため、空いている昼間に大学院のゼミで歴史を研究しました。ここから本格的に歴史を研究するようになりました。
―大学生や社会人になって、歴史を学び直す人も多いですが、どのように学び直すのが良いのでしょうか?
やはり、興味を持った時代を楽しみながら学ぶのが良いと思います。ロマンを追いたいという方には古代史がおすすめですし、歴史から教訓を得たいという方には偉人の言葉がおすすめです。
「歴史学」というのは、史料を集めて過去の事実を明らかにする学問です。ただ私は、そこから得られる教訓や楽しさを一般の方に広めるため、本を執筆しています。過去の出来事を学ぶことで現在や将来に生かせることがあります。歴史を学び直す際には、そのことを意識して本を読んでもらうと良いと思います。
―青学生にメッセージをお願いします。
後輩の皆さんにはぜひ社会で活躍してほしいです。また、大変な現代を乗り越えるために、歴史を活用してもらいたいです。