
4月15日と16日に青山学院アスタジオにて、本学演劇研究会の新入生歓迎公演が開かれた。実に2年間のブランクを経ての開催だった。

演目は「隣の隣人」。手を縛られた少女のもとに正体を明かさない男が突然現れる。少女にメイクをしたり、絵本を読み聞かせたりと親し気に接する謎の男。やがて自信に満ちた様子の女も現れ…。三人の交流は次第に新たな真実を映し出していく。
本作品を上演するにあたり、「脚本を読んだ段階で講演の前半と後半で受ける印象が全く違う点に惹かれた」と語ったのは演出を担当した鈴木愛生さん(教・3年)。「ⅬGBTQを主題とした難しい演目だったが、演者と細部まで話し合って舞台を創り上げた」と公演を振り返った。3人の演者は部内のオーディションを経て決定。それぞれが役と向き合った。またこの2年間、表情が重要な要素となる演劇にとってマスクの着用は障壁だった。思うような練習ができないなかでも努力を重ねてきた演劇研究会。公演日の直前まで音響や照明の確認をするなど準備に抜かりはなかった。
しかし、入念な準備があっても2年ぶりの新入生歓迎公演ということもあり、前例の踏襲では準備が立ち行かないことも多かった。会場の仕様や初めての運営に戸惑うこともあったが、先輩に話を聞きながら準備を進めたという。「タイトなスケジュールの中でも協力できたことが強み」。そう話した鈴木さん。コロナ禍を経て一度途切れた伝統を新たな形で後輩に伝えるべく奮闘した。また、今まで土日に開催していた講演を金曜部にずらしたことで、より多くの新入生に足を運んでもらえたという。「新たな形での練習など、困難も多かったが今まで実現してこなかった新入生歓迎講演を成功させられたことがうれしい」。そう笑みを見せた。
すでに新入部員も含め次の公演に向けた準備も始まっているという。今後の活躍からも目が離せない。