本学写真研究部は6月20日から6月24日にかけて、青山キャンパスにある間島記念館2階展示室で、今年度の新入部員の力作を展示する「新人展」を開催した。これまで開催されてきた展示会を含め、部としては初めて、間島記念館を使用した展示会だったという。本展について、展示会の責任者である五十嵐郁さん(情3)に話を聞いた。

今回の展示会は、新入部員が撮影した写真を展示する機会を設けたい、写真を撮り始めて間もない新入部員の初々しい写真を見てほしいという思いで開催が決まったそうだ。展示会には、新入部員がこれまでに撮った写真の中から厳選したものが並べられた。まさに新入部員の最高傑作とよべる写真ばかりだ。日常の一コマから移り変わる自然まで、多彩なテーマの作品が間島記念館に並んだ。

「龍の巣」という題で出展した渡辺洸大さん(法1)は、撮影するにあたり、できる限り雲が立体的になっている部分を切り取ることを心がけたそうだ。入道雲は短時間で形が変化していくため、理想的な形になるまで待つことが大変だったという。一瞬のシャッターチャンスをものにした渡辺さんの渾身の一枚といえる。また、近藤亜樹さん(法2)は「蝶の集会」という題で写真を展示した。日常生活で見かける、ありきたりな風景を異化することを意識して撮影したという。アジサイには真花と呼ばれる真ん中の集合体と、装飾花と呼ばれるガクの部分がある。一般的に私たちはその両方を合わせてアジサイを認識する。しかし、近藤さんは見方を変えた。ガクが蝶々のように見え、その蝶々が真花の周りを飛び回っているようにも見えると考え、シャッターを切ったそうだ。同じ被写体でも、様々な視点から向き合うことで、表現の幅が広がるのはとても興味深い。

五十嵐さんは、これから撮影したいテーマとして、日常生活の中で、目の前の光景や出来事、人物などを一瞬のうちに素早く撮影する「スナップ写真」、人物を主な被写体として撮影する「ポートレート」などを挙げた。これまで取り組んだことがないテーマだからこそ挑戦したいと語る。

 写真研究部は今後3回の展示会を予定している。9月中旬には、渋谷にあるギャラリールデコでの「夏展」、10月の学祭での展覧会、来年の3月には「卒展」が開催されるそうだ。新入部員の、新人展から次回以降の展示会にかけての変化が楽しみだ。