7月2日、講師に那須田淳さんを迎え、ジェンダーと表現「物語小説創作ワークショップ」が開催された。暑い中、計30名以上が参加するワークショップとなった。

那須田淳さんは本学の女子短大で昨春まで講師を務めており、短大の教室には懐かしさを感じたという。

今回のワークショップのテーマ「ジェンダー」について、どう扱うかは、那須田さんにとっても悩みどころだった。ジェンダー問題とは、きわめて個人的なものであり、それが社会の認識や状況とのずれにより起きるという捉え方をし、「表現者がこの問題を扱うならば、『一般論ではなくいかに自我と結び付けてどう描くか」という点を意識して講義を行わせてもらった」と語る。

那須田さんにとって、自己を表現することとはどういうことなのかを尋ねると、自分が「どうなりたいか・どうしたいか」の延長線上にあるもの。自己表現とは生きることと一緒であり、創作を特別なものではないという。

 那須田さんは今回のテーマの中でも特に、まだ男女平等とは言い難い実社会で、女性たちがどう生きるかに興味があるそうだ。それらに触れることが出来る物語について聞くと、「ルシア・ベルリン著『掃除婦の為の手引き書』や、映画『恋愛小説家』がおすすめ」と話した。

 最後に那須田さんは、「青学生たちへの一言として、自分達の存在を大切にして欲しい。青学というブランドを意識して積極的にメッセージを出すこと。それは将来の自身へのチャンスになるのでは」と本学学生へ語った。