東京都中央区日本橋の一角。オフィスビルに囲まれた中に、和の雰囲気を醸し出す一軒のお店が立っている。店の名は「日本橋屋長兵衛」。2003年設立の比較的新しい和菓子屋だ。長兵衛の扱う商品には、昔ながらの和菓子に加え、「ラムネゼリー」や「金魚すくい」など斬新な発想のもと、作られたユニークな和菓子が多数販売されている。

まず、和菓子のアイディアはどのように考案しているのか聞いた。宣伝部の西沢アレクシス涼子さんは「お菓子の構想は主に商品開発部とマーケティング部で考える。そして月に複数回ある会議で、出された案を社長を含めた幹部全員で吟味する」と話した。また年に2回「新作のコレクション」を行っているという。そこで、百貨店のバイヤーや店長が試食を行い、出されたアドバイスを基に商品をブラッシュアップしていくそうだ。

次に、「人気のお菓子」と「夏限定のお菓子」について聞いた。長兵衛で一番人気の商品は「天下鯛へい」だ。たいの形をしたまんじゅうで、一見、たい焼きを小型化しただけのものに見える。しかし、普通のたい焼きと違い、生地はもちもちで、食感はやわらかい。長兵衛の看板メニューで、一度食べればやみつきになる。また、夏限定の和菓子として、長兵衛が推しているのは「金魚すくい」だ。多くの顧客も認める人気商品だという。注目すべきはその見た目だ。レモン風味のゼリーの中に四角状の寒天と、ひときわ目を引く金魚型のようかんが入っている。見るだけで涼しさを味わえる商品で、夏にふさわしい和菓子と言える。

昨今の若者の間では、和菓子離れが進んでいる。しかし、長兵衛によれば、和菓子は洋菓子と異なり、動物性の素材が基本的に使われない、美味しくて、健康によい魅力的なお菓子だそうだ。また、長兵衛は若者に親しんでもらえるような和菓子を多数販売しているという。この夏は、長兵衛の和菓子で日常を満喫してみてはどうだろう。