
第19回U20世界陸上競技選手権大会が8月1~6日、コロンビアのカリで開催された。3000㍍障害のレースに出場した黒田朝日(地1)に話を聞いた。
黒田(地1)は、世界の舞台でも臆さない積極的な走りを見せた。5月に行われた関東学生陸上競技対校選手権大会でも同種目に出場し、優勝は逃したものの中盤は単独トップに立ちレースを進め、1年生ながら堂々の3位に入った。
男子3000㍍障害予選は大会3日目に行われた。3組に出場した黒田は8分51秒04で5着ながら、タイムで拾われ、決勝へ駒を進めた。
厳しい予選を勝ち抜いた15選手が出場して行われた決勝。近年、中長距離界を席巻しているアフリカ勢が全体のほとんどを占めるなかでのレースとなった。しかし、決勝の舞台でも持ち味の積極果敢な走りを発揮し、レース序盤から先頭に躍り出る。一時は後続との差を50㍍以上に広げる快走を見せた黒田。惜しくも残り2周で一気にペースを上げた後方集団に後れをとったものの、世界の舞台で堂々の走りを見せた。
今回の決戦の舞台は標高数千㍍のスタジアム。しかもウォーミングアップや召集の仕方が日本とは異なるなど、海外大会ならではの難しさを感じたという。自身初となる日の丸を背負ってのレースとなったものの、黒田は「レベルの高いレースを経験でき、楽しかった」と振り返った。
世界の舞台は誰しもが経験できるものではない。本学の強い歴代選手でさえも在学中には数人しか経験できなかった舞台だ。黒田は、「ここから先、5000㍍や1万㍍のトラックレースを走る機会が増えてくると思う。3000㍍障害以外の種目でも結果を残せるように力を着けていきたい」と今後を見据える。
大学1年目にして海外の選手と競い合える貴重な経験を得た怖いもの知らずのルーキーは、まもなく初めての駅伝シーズンを迎える。本学は圧倒的な選手層を誇り、部内競争を勝ち抜くことは容易でない。ただ、黒田は「チャンスが全くないわけではない。その少ないチャンスをものにしたい」と力強く語った。世界大会での経験を生かした、黒田の走りが見られる日はもうそこまできている。