
本学3年の私が所属するフランス文学科のゼミは、フランス文学、フランス語学、フランス文化の3つの分野に分かれている。それぞれの分野の中に様々なゼミがあり、その中で私は、フランス文学の分野の、井田尚教授のゼミに所属している。
井田教授の専門は、百科全書派の作家ディドロを中心とする18世紀のフランス文学だ。私が所属している教授のゼミでは、前期と後期を通して、フランスの作家、思想家の一人であるモンテスキューによる書簡体小説『ペルシア人の手紙』を取り扱っている。書簡体小説とは、18世紀からフランスなどのヨーロッパで流行した、書簡、つまり手紙などの形式で物語を構成する小説のことだ。『ペルシア人の手紙』では、2人のペルシア人男性のユスベクとリカが、知識を求めてヨーロッパに旅に出る。この小説は、彼らが旅先のヨーロッパから、故郷に残してきた人々に送った手紙と、その返事の手紙の形式で構成されたものである。
『ペルシア人の手紙』のフランス語原典での訳読、精読を通して、フランス語だけでなく作者の思想や、18世紀フランスの社会や歴史、文化などを学ぶことができる。また発表形式の授業を通して、それぞれが関心を持ったテーマについて深く探求したり、プレゼンテーション能力を磨いたりすることもできる。(咲)