
北千住に店舗を構えるLUSH-COFFEEは、東ティモールのコーヒー豆を使用したコーヒーを提供する、日本初の東ティモール専門珈琲ショップだ。オーナーの吉田光佑さん(国政4)は現在本学に所属しており、大学三年生で開業した。
なぜ東ティモールの専門店に決めたのか。それは吉田さんが高校三年生と大学一年生の時に東ティモールへ渡航したことに起因する。「彼らのコーヒーの品質の良さやコーヒーへのプライドに魅力を感じ、現地へ行った自分が、消費国と生産国をつながなければならないと感じた」という。東ティモールのコーヒー豆の魅力は、元々の生育環境のポテンシャルであると同時に、生産者たちの努力で品質が良いものが作られているところという。コーヒーは、甘味を伴った柑橘系酸味、ハーブ感やスパイシー感もある、複雑なフレーバーも兼ね備えた味がする。
開業する際に苦労すると思われやすいのは資金面に関してだが、吉田さんはそちらより「自分自身が店舗でコーヒーを出していく上での提供したい味や品質と、市場の客の趣味嗜好をすり合わせることが大変だった」と振り返る。コーヒーは趣味嗜好の世界であり、自分が良いと思う味が受け入れられないこともあるため、調整が難しかった。
吉田さんは、コーヒーの鑑定士とも称される「Licensed Q Grader」の資格も取得している。この資格はコーヒーについて客観的な視点から評価すること、その技術があることを求められるものだ。「一番説得力や信憑性がある資格で、コーヒーの品質が正しい評価であると伝えたくて取った」と吉田さんはいう。「コーヒーは嗜好品と言われるものだが、だからこそ客観的に良いものを伝えられるようになりたかった」と資格を取った理由について話す。
「今後は店を拡大していきたい。その中でも東ティモールを背負える第一線のショップとして邁進していきたいと考えている。また、若い人々のコーヒーに対する技術の知識を増やし、インフルエンサ―になっていってほしいと思う」と、吉田さんは今後の展望についても語った。