昨今、お笑い業界では第7世代が注目を集める。業界の中でも最大手と呼ばれる吉本興業東京本部に話を聞いた。本部は新宿区の戦前に建てられた小学校に耐震工事を行い、普段から多くのお笑い芸人が打ち合わせや配信などを行う象徴的な建物である。
吉本興業を裏側で支えているのは、非常に高い採用倍率を乗り越え入社した社員である。今回はその裏側を迫るべく本学卒業生でありマネジメント部の片倉輪子さんに話を聞いた。
まず、片倉さんが吉本興業に入社した経緯について「小さな頃からお笑いに支えられて生きてきたから。マスコミにも興味があったが、ユーチューブも好きであり、自分の得意なことを活かせるのは吉本興業しかないと思い志願した」と語った。
では、吉本興業に入社するにあたり、学生生活のどのようなことが活かされたのか。片倉さんは「精力的に学外での活動をしていた。特に力を入れていたのは、与党と野党議員の秘書の長期インターンをしていたこと。1年生の終わりから3年間行っており、この頃の分科会でのデジタル化に関する議論などが就活や現在の仕事にもつながっている」と話した。
入社した現在、片倉さんは映像制作の仕事に携わり、ユーチューブチャンネルやツイッタートレンド大賞などデジタル事業を中心に活動している。主な業務内容として、お笑い芸人の環境作りをしているという。「芸人さんがどの企業案件に向いているかを一から調べ上げ、アポ取りから打ち合わせ、収録まで行っている。ツイッタートレンド大賞では、芸人さんを売り込むため、吉本興業所属のお笑い芸人さんを覚えるのに苦労した」と語った。ふとテレビを見ていても芸人さんのこと考えることがあったという。
そんな片倉さんだが、社員に求められることを聞くと全力を出しながらも心にゆとりを持つことだという。「深夜収録のために夜に出勤することもある。1年目から制作を続け、体力が持たなくなりそうだったこともある。そうならないために、生活習慣を崩さないよう心がけており、常に心の余白を作るようにしている」と話した。
最後に吉本興業を志望している本学学生に向けて、メッセージをもらった。「学生生活のうちに自分の興味のあることに、誰にも負けないくらい全力で取り組んでほしい。そこから派生したやりたいことが、吉本興業では何でもできる会社である。」と熱く語った。