「ピース大作戦」と銘打って挑んだ今年の箱根駅伝だが、本学は大会を前に３つのアクシデントに見舞われた。

１つ目は、昨年の箱根駅伝で５区を走り、区間３位の好走を見せた若林（地２）の離脱だ。区間エントリーに若林は選出されていたが、大会２日前に体調不良を訴え、急遽当日変更となった。２つ目は、その若林に代わる山登り候補だった黒田（地１）の故障だ。この２人の離脱により、山下りが得意な脇田（法４）が山登りの５区に起用される形となった。３つ目は、中村（総４）のアクシデントだ。前回９区で区間記録を塗り替えていただけに、チームへの影響は小さくない。このようなアクシデント続きの中で、どのようにしてそのピースを埋め合わせられるかが、鍵を握った。

　１区を任されたのは、出雲、全日本で１区を任され好走を見せた目片（コ４）。前回大会は給水係だった目片だが、この１年で大きな成長を遂げ最終学年で見事初の箱根路の舞台に立った。途中３位集団と離れかけるも、粘りの走りで１位明大と11秒差につける。

　花の２区では青学のエース近藤（営４）が出走。７位から一気に３位に浮上した近藤は中大・吉居大和と並走しながら駒大・田澤に迫る。最後の上り坂で吉居が田澤を抜き、近藤もそれに続く形で襷をつなぎ、区間２位という好成績を残した。

　３区はチームの副キャプテンを務め、出雲、全日本共に好走をみせた横田（教４）。横田は駒大・篠原と２位争いを繰り広げるが、18㌔地点で篠原と差を広げられてしまう。

　４区は昨年の箱根駅伝で１年生ながら大きな飛躍を遂げた太田（コ２）。平塚中継所では１位中大と36秒あった差を酒匂橋手前で追いつき、追い越した。その後駒大・鈴木と一進一退の攻防を見せ、ほぼ同時に小田原中継所に突入した。

　若林の代役として山登りを任されたのは、４年生の脇田。駒大・山川との１位争いに遅れをとり、さらに中大・阿部に抜かれるが、それでも区間９位にまとめ、本学は往路３位という結果に終わった。

【選手コメント】

《１区・目片選手》

　３位という結果で悔しい。個人でも駒澤さんに先行を許し悔しさが残る。この４年間１人も抜けることなく箱根優勝を目指してやってきたチームは誇りに思う。

《２区・近藤選手》

　青学に憧れてフレッシュグリーンのユニフォームを着て箱根路を走れたのは幸せに感じる。頼もしい仲間に恵まれて楽しい４年間だった。

　《３区・横田選手》

　３年間悔しい思いをして、どうすれば強くなれるかを常に考えてきた４年間だった。青学でのびのび練習させてくれた親に感謝したい。

　《４区・太田選手》

　体調不良のため欠席

　《５区・脇田選手》

　急遽５区を任され、気持ちを切り替えよとしたが、体がついていかずに、チームの足を引っ張ってしまった。最後の最後に箱根を走れて幸せだった。