今年1月に行われた第99回箱根駅伝では、「ピース大作戦」を掲げ、連覇を狙ったが、惜しくも3位に終わった本学陸上競技部長距離ブロック。宮坂大器(22年度・国経卒)に代わり、新たに志貴勇斗(教4)が主将になった。今回はその志貴と、新しくコーチに就任する田幸寛史氏に話を聞いた。

志貴は、主将になったきっかけについて、「1年生の時に部の寮で同じ部屋だった、神林勇太(20年度・地卒)の存在があった」と語る。主将としての神林の姿を見て強い憧れを抱き、自身の「4年目に主将になりたい」という思いも合わさって、主将になることを決意したという。志貴は2年生では箱根路を走ったが、3年生では出雲駅伝に出場するにとどまり、悔しい思いを抱いていた。最終学年となった今年こそ、チームの一員としても、主将としてもチームに貢献し、活躍するにはどうすればよいか、常に考えているという。

新年度の目標として志貴は、「個人としては、ただ走るだけではなく、チームの『ピース』として走りたい。チームとしては、昨年度の三大駅伝で一回も優勝できなかったため、勝ちにこだわり、駅伝で優勝できるようなチーム作りをしたい」と語った。

また志貴は、陸上競技部長距離ブロックに入る新入生に向け、「青学はトップを狙うチーム。その中で成長するためには、練習から学んだことをどう吸収していくかということを、先輩の姿を見ながら考えてほしい。そして、来年の箱根駅伝で一緒に戦いたい。新生活に慣れるまでは厳しいかもしれないが、少しずつ慣れていって、チームの一員として活躍できるようになっていってほしい」とエールを送った。

志貴新主将

田幸寛史コーチは、本学を離れて4月から静岡県飛龍高校の監督に就任する、勝亦祐一コーチの後任として就任した。知人から勝亦コーチの後任を探しているという話を聞いたという。自身はそれまで女子の実業団のコーチをしていたが、それ以前はずっと男子の指導をしていたため、機会があるならばぜひやってみたいと思ったという。また田幸コーチは、本学の選手たちが、箱根駅伝が終わった後、優勝できなかったことを非常に反省し、「勝たなければ青学ではない」という姿勢を見せていたのを見かけた。選手のそのような心意気は、「競技を教える以上、勝ち負けにこだわり、本当に勝負できる環境で指導したい」という自身の思いと同じであると確信し、コーチ就任を引き受けたという。

また田幸コーチはチームに対し、「選手一人一人が、ただ強くなるだけではなく、競技会で勝つための指導をしたい」と語った。また陸上競技部長距離ブロックに入る新入生に向け、「優勝を狙うというのは、言葉の上では簡単なことに見えるが、本当に覚悟をもってそこに臨むのはとても難しいこと。そのようなプレッシャーを喜びに変えられるようにチャレンジしてほしい」と期待を込めた。

昨年度の三大駅伝は無冠に終わったチーム。箱根駅伝で4連覇を達成した「青学黄金時代」を知り、喜びも悔しさも味わってきた新チームは、今日も王座奪還に向け、練習を重ねる。