今年度の入試が終わり、新入生を迎える時期になった。今年度の入試問題の傾向や入試方式、受験者数の変化と読み取れる動向について入学広報部入試課の増田惠介さんに話を聞いた。

 今年度の入試問題について「2021年度の入学者選抜改革以降、大学入学後の教育・研究活動との接続性を意識した各学部・学科のアドミッションポリシーに基づく選抜となっている」と入学広報部入試課の増田担当課長は語る。今年の一般選抜では一般選抜(個別学部日程)・一般選抜(全学部日程)・大学入学共通テスト利用入学者選抜の3つの方式が実施された。

 一般選抜(個別学部日程)は、多くの学部が大学入学共通テストと各学部が出題する「独自問題」を組み合わせた方式を有している。この方式では大学入学共通テストの指定教科・科目で基礎的な知識・ 技能を評価し、さらに記述を含む「独自問題」で思考力・判断力・表現力を評価する。また複数の科目にまたがる「総合問題」を出題する学部もあったという。

 一般選抜(全学部日程)では、「思考力・判断力・表現力」を測るマークシート方式で実施され、国語や数学などでは、学部・学科の出題範囲や配点が異なるといった独自性も有している。

 大学入学共通テスト利用入学者選抜は、大学入学共通テスト対策がそのまま受験対策となる。なお、2023年度から複数の学部・学科で従来の3~4科目型に加え、総合的な力を測る5~6科目などの多科目型の方式が設けられた。

 前年度、全学部日程では、多くの学部・学科で合格最低点や倍率が個別学部日程に比べて高かったことも影響してか、志願者数の前年比は他の選抜方式と比較して最も低いものとなった。

「前年度の志願者数は、3つの選抜方式とも前々年度より志願者数が増加していたことから、本学を併願先と考える受験生は難化を懸念し、本学への出願を控える傾向が生じた可能性がある」と同氏は語った。実際に前年度比で一般選抜個別学部日程では95・0%、全学部日程では85・1%、大学入学共通テスト利用入学者選抜では92・2%と3つの方式全てで受験者数の減少が見られた。