【大樹の年輪】日本文学科 山口一樹准教授

日本文学科では、昨年度をもって中古(平安時代)文学が専門の土方洋一名誉教授が定年退官し、今年度より山口一樹准教授が着任した。電子版では、山口准教授へのインタビューの全容をお届けする。

Q.中古文学に興味を持ったきっかけを教えてください。

A.大学に入った頃は、中世(鎌倉・室町時代)文学、特に軍記物語を主に勉強していました。大学3年生の時『源氏物語』のゼミを受講し、その時に研究論文をいろいろと読んだのですが、一つの作品なのに、研究者によって言っていることが全く違うことに面白さを感じました。特に、玉鬘十帖(※)で、光源氏が好きになった女性が、他の男に盗られてしまうという場面があるんですね。その恋の結末は光源氏にとって屈辱的なもので、汚点になる出来事だと言う研究者もいれば、逆に光源氏にとって、そうした結末を迎えたことは政治的なメリットがあると主張する研究者もいて、同じ場面を読んでいても、論者によってさまざまなことを言っているのが魅力的でした。そこから、物語を講読し、自分なりの論文を書いてみたい、と思って研究を始めました。

(※)玉鬘十帖…『源氏物語』玉鬘巻~真木柱までの計10巻をいう。

Q.『源氏物語』にはどのような面白さがありますか?

A.一番は読み応えがあることですね。特に研究が、いろいろな角度から掘り下げられていて、そのような研究に耐えうるだけの作品の豊かさがあることがとても面白く、魅力的だと思います。

Q.本学に着任した経緯を教えてください。

A.学生の頃に、本学の高田祐彦教授(中古文学専門)や土方名誉教授の論文をたくさん読んだことが始まりで、「本学に着任できたら」と思っていました。前任校で大学の公募が出るのを待っていたところ、偶然本学の中古文学教員の公募を見つけ、応募しました。

Q.趣味や特技はありますか?

A.本を読むのが好きですが、それに加えて漫画を読むのも好きです。子供の頃、父が『少年ジャンプ』を毎週買ってきてくれたのがきっかけでした。今、私のおすすめの漫画は『スキップとローファー』です。田舎で育った子が上京してきて、様々な人に出会うという内容で、学生の皆さんにおすすめです。また、餅つきが得意です。親戚一同で毎年年末に餅つき大会があるんですけど、子供の頃から餅つきをさせられていて、餅をつくことも、返すのも得意です。

Q.最後に、学生にメッセージをお願いします。

A.これまで、勉強に関しては教えていただいた先生が様々な研究を教えてくださって、研究の面白さに気付いたし、漫画が好きになったのも父親の影響がありました。また去年から、友人に勧められてゲームをするのが趣味となりましたが、そのように人と出会ったり話したりする中で得られるものがとても多かったです。いろいろな考えを持った人が集まる大学の一番良いところなので、周りの人と交流をもつことを大切にしてほしいですね。その中で教えてもらえることがたくさんあって、また人から話しを聞く中で自分の好きなもの、自分らしさが少しずつ見つかると思います。無理に友達を作ろうとしなくてもいいから、とにかく人と話すこと、周りの人と交流を持つことを大切にしてほしいです。

山口 一樹 (やまぐち かずき)

文学部日本文学科准教授

早稲田大学 文学部 文学科日本語日本文学コース 卒業

東京大学大学院 人文社会系研究科 日本文化研究専攻日本文学専門分野 修士課程修了

東京大学 修士(文学)

東京大学大学院 人文社会系研究科 日本文化研究専攻日本文学専門分野〔博士課程〕単位取得満期退学 東京大学 博士(文学)

【主な論文】

「弁の君の発話」(2021年)

「『うつほ物語』国譲巻における源季明の遺言」(2020年)

「玉鬘の物語における女房集め」(2019年)

「『源氏物語』における後見の依託―遺言の物語の型について―」(2017年)

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