青山キャンパスから徒歩10分、渋谷ストリームのすぐ近くに、ラジオ局「渋谷のラジオ」はある。そこでプロデュースチーム・パーソナリティを務める島田亜紀恵さんに話を聞いた。
渋谷のラジオは2016年4月に本放送を開始した。制作会社から番組の提供を受けず、編成を自主制作で作成していることが大きな特徴である。島田さんによると、地元の人、アーティスト活動をしていた人が、渋谷から災害情報を発信できるコミュニティFMを作ろうという思いのもとに開局したという。番組出演者とリスナーとがフラットにつながる、ローカルで顔の見える放送局として、地元の人とのつながりを大事にするとともに、渋谷にまつわる多彩な人々が出演する番組を放送している。
番組の編成時には、ジャンルにとらわれず、様々なモノを愛する人を集め、ラジオを聴く人が雑誌をめくるような感覚で様々なコミュニティと繋がることができるようにということが意識されているという。また、渋谷のラジオは「聴くラジオから、出るラジオへ」というスローガンを開局当時から掲げているため、番組に出演する人は、著名な人に限らず、一般の人も多い。一般の人にも出演してもらうことにより、出演者の家族を中心として、渋谷のラジオを聴く関係人口を広げることができる。災害が発生したときも関係人口が多ければ、より多くの人に情報を発信でき、救える人も多くなる。これが、渋谷のラジオが目指す姿だと島田さんは語る。
また、渋谷のラジオにはボランティアスタッフがおり、機材を扱い、構成を考えるなど多くの作業に関わっている。島田さんもボランティア出身だという。災害発生時、機材を扱えるボランティアスタッフがスタジオの近くにいれば、すぐに災害情報の発信ができる。そのため、渋谷のラジオにおけるボランティアスタッフの役割は大きい。
渋谷のラジオのスタジオは、通行者からは町中にあるラジオ局と認識してもらえるように、ガラス張りになっている。開かれた場所、地域の施設らしさも持つ。それが渋谷のラジオと言える。