#OneMoreChoice プロジェクトは、心身の不調を無理に我慢することなく、誰もがいつでも心地よい、健やかな社会を目指しツムラが取り組む活動だ。このプロジェクトでは、大学生が隠れ我慢しない環境づくりを目指して「Carellege Action(ケアレッジ アクション)」という取り組みを2023年4月から始めており、活動の一環として大学生向け#OneMoreChoice 研修をツムラが行っている。今回の研修では、21人が参加し、小グループに分かれ参加者同士の考えや意見に触れる機会も設けてあり、自分の思いを伝え、周りのさまざまな悩みや辛さを思いやるきっかけにつながった。
まず初めに参加者全員で自分の隠れ我慢タイプを知るために、このプロジェクトで開発した「隠れ我慢チェッカ―」を受けることとなった。これはいくつかの質問に答えることで、頑張り屋さん、気遣いさん、敏感さん、不調さん、慣れっこさんの5つのタイプと4つのレベルから自分の状態が分かる。普段の行動傾向や今の状態から、自分を再発見する機会が用意された。「このチェックを受けた学生の我慢に特定の傾向があるわけではなく、5つのタイプすべて均一の割合となっている。ただ我慢をしていない人は今までほとんどおらず、皆が何かしらを我慢していることに気付いた」と宮城さんは語る。学生のだれもが我慢を抱え、人に打ち明けにくいという風潮が現代にあるのではないか。例えば雨の日の頭痛から生理痛まで多岐にわたる。だがそれらを他人に表立って話すことは少ない。そうした「隠れ我慢」にスポットライトを当てたのがこの研修だ。
#OneMoreChoice プロジェクトの始まりは、次のような経緯があったという。ツムラは以前から不調症状の啓発を目的とした広報活動に熱心に取り組んできた。この広報活動のなかで、不調症状を抱えて辛い思いをしている人がおおくいることに対して課題を感じていた。そこで、会課題解決のためにどのようなことができるか。それを考えたときに自社で行っている「なんとなく不調に関する実態調査」より、多くの人が不調症状を感じていること、特に女性の方が不調症状を抱えている人が多いことが分かり、まず優先課題として取り組むこととなった。さらに心理カウンセラーの監修のもとで「隠れ我慢に関する実態調査」を行い、女性1万人のアンケート結果から、女性の八割が不調を無理に我慢して仕事や家事を行っていることが明らかになったため、プロジェクトのスタートに至った。
また大学生向け#OneMoreChoice 研修への参加者から逆に学んだことを聞くと「自分の人生について学生の時点からしっかりとした価値観や視点を持っている方が多く、私自身気付かされることが多い」と宮城さんは語る。様々な意見を取り入れて議論を交わし、反映していく姿に感銘を受けたという。また山田さんは「他の人の問題に関心を持ち、自分に何ができるか考えようとしている姿が印象的だった」と話した。
最後に#OneMoreChoice プロジェクトを通して3人から一言ずつもらった。「このプロジェクトは女性に多い不調症状から始まったものだが、そもそも不調は性別関係なく存在する。大学生から50代まで幅広く多くの不調症状における隠れ我慢をテーマに、活動を展開していきたい(宮城さん)」「隠れ我慢をなくすためには自分が変わらないといけない。プロジェクトを通して多くの選択肢があることを知り、温かい社会になっていけばうれしい(大山さん)」「今まで『まだできる』と思っていた我慢も、プロジェクトを通して我慢以外の選択肢があると考え直すきっかけになった。これからもこのプロジェクトを多くの方に推進していきたい(山田さん)」