
第2回目となったロボティクスのすゝめ。今回は、前回と同じ知技能ロボティクス研究室所属の小川泰輝さん(院2)に話を聞いた。
まず、小川さんが研究に用いている4脚ロボットを紹介してもらった。ロボットはまるで子犬のような見た目をしており、電源を入れると伏せの姿勢から一気に立ちあがるのが印象的だ。コントローラーで指令を送り、前進や後進、方向転換といった動作は誰でも簡単に操作ができる。まさに縦横無尽に動くロボットだ。
小川さんはこのロボットを用いて、田んぼのようなぬかるみの中を移動するロボットの研究を行っている。具体的には「ぬかるみの中を移動する際に、ロボットの脚が受ける抵抗を最小限に抑えること」を目指している。
ロボットがぬかるみから脚を上げる動作を「引き抜き」、脚を戻す動作を「挿し込み」という。動物が本能的に歩く動作や、ぬかるみから足を出すために大きく脚をあげることに注力した動作など、様々な脚の動きを比較しながら最適な状態を研究したそうだ。
農業人口が減少し、農家の高齢化が進む日本では、農業の機械化・効率化が欠かせない。田んぼでロボットを稼働させることが可能になれば、農作物を鳥獣から守ることができる。小川さんは「日本の将来を考えると、田んぼのような農地でロボットを活用するのは当たり前になるだろう。小さな消費エネルギーで効率よく移動する技術は、普及のために欠かせないのではないか」と話した。
現在、小川さんはこの研究テーマで修士論文を執筆し、完成へ向けて日々取り組んでいる。卒業後は現在までの研究をより発展させるため、後輩へ引き継いでいきたいと語った。