
昨年の春、青山キャンパスに開館した新図書館であるマクレイ記念館が一周年を迎えた。多くの本学学生にとってすでに馴染みの場所になっているだろう。今回は、図書館長である教育人間科学部の杉本卓教授に図書館の利用状況や活用方法について聞いた。
図書館の利用状況を聞くと杉本教授は「前の図書館と比べて利用人数が増え、活気に満ちた場所になった」と語る。その背景には、新設されたということだけでなく、キャンパスの中央に位置し、17号館とも連絡通路でつながっている点があるという。また、ICタグの導入による効率化も進んだ。例えば、新たに設置された予約棚では、資料が書架に置かれると自動で予約者にメールが届く仕組みが導入されている。アプリの利用などで、通常の貸出や返却もより便利になり、図書館利用のハードルが大きく下がったそうだ。
さらに、物理的な利用だけでなく、オンラインでの活用方法も是非知ってほしいと話す。図書館へ足を運ばなければできない行為も、オンラインで可能になり、図書館サイトからアクセスできるバーチャル書架では、展示中の書棚や学科ごとにシラバスに記載のある教科書が公開されている。バーチャル書架について杉本教授は「本棚を眺めるということはとても重要だと思う。そうすることで思いがけない本と出会うことができる」と熱く語った。
その他にも杉本教授は、デバイス上で閲覧できる電子ブックや、新聞や雑誌のデータベースなどの活用も呼び掛けた。
最後に新入生へのメッセージを聞くと「知についての考えをアップデートして欲しい」と語る。続けて「高校までの学びは、問題に対して決まった答えを探すものが多かったかもしれないが、世の中はもっと曖昧だ。何が問題で、何が正解なのか分からない。そのことを大学生活で実感し、一つの疑問から多くの知に広げていって欲しい。その知の入り口として図書館を考えて欲しい」と締めくくった。