
2025年1月6日~11日に開催された女子ラクロスアジアパシフィック選手権大会―世界選手権大会―で、日本代表が優勝を果たした。予選3試合、準決勝、決勝を全勝で締めくくり、日本の強さを示した今大会。この結果を受け、日本代表は2026年に日本で開催予定の WORLD LACROSSE女子世界選手権大会 ならびに The World Games2025 への出場権を獲得した。今回は、日本代表に選出された本学体育会女子ラクロス部の織田温子(物4)に話を聞き、大会の振り返りやラクロスへの思いに迫る。
今大会が日本代表初選出の織田。高校まではバスケットボールをやっておりラクロスには縁がなかったが、ラクロスの選手で姉の織田陽子の影響と、大学で女子ラクロス部に出会ったことをきっかけに始めたそうだ。大学から始めて3年目での日本代表選出はまさに快挙と言えるだろう。それについて織田は「今回は、2022 WORLD LACROSSE女子世界選手権大会で日本代表に選出された選手は対象外で、若い選手が多く選ばれた。なので、女子ラクロス界全体の代表ではなかったが、同世代や社会人の選手とともに優勝できてよかった」と笑顔で語った。
次に、今大会で自身が得点した韓国戦とオーストラリア戦を振り返ってもらった。予選第2試合の韓国戦では、織田は2ndハーフに空いたスペースに飛び込み一点を獲った。このプレーを織田は「相手のG(ゴーリー、ゴールキーパーのこと)が前に出て、そこに打ち込んだ。この得点は、本学のチームの中にかなり前に出てプレーをするGの選手がいたことが活きたのだと思う」と自チームでの練習について触れながら振り返った。
強豪国・オーストラリアとの決勝戦では、韓国戦とは異なり後ろから走りこんで貴重な一得点をあげた。この背景には、織田が得意とするカットインというプレー(ゴール前に切れ込む動きのこと)があった。また、この動きにチームメンバーらが反応し合わせてくれたことも得点につながる要素だったそうだ。
続いて、今大会で得た経験や課題について聞いた。今回初めて海外選手を相手にした織田は、自分との体格差やスピードの違いに苦戦したと話す。「日本でやってきた感覚では通用しないことが多かった。相手の勢いや圧で判断力が鈍り自分のプレーを出し切れないことがあったので、世界で戦っていくには技術や判断力をより磨いていかなくてはならないと思った」と悔しさを口にしながら語った。また、ともに戦った日本代表の選手については、日本が得意とするフルコート(ディフェンスで奪い、攻撃の展開を早め、コート全体を使って総力で勝つ戦術)におけるパススピードや展開の早さなどの高い技術を見て「まだ自分の技術を高めていける」と感じたという。海外選手だけでなく、フィジカルで劣る部分があるなかで技術や戦術を磨いてきた日本の強さが織田に刺激を与えたのだ。
今年度は、最上級生として本学体育会女子ラクロス部を引っ張っていく織田。チームが掲げる「学生日本一」を目指し、それに貢献できるプレーがしたいと話した。個人としては「世界で戦える選手になる」という目標達成に向け、既に始まっているフルメンバーでの日本代表選考に最後まで残り、試合で日本の勝利に貢献したいと意気込む。また「次のオリンピックではラクロスが競技として入っている。日本代表として勝利に貢献し、ラクロスがより日本に広まっていけばいいなと思っている」と競技の普及についても語った。
大学入学後からラクロスを始め、わずか3年で日本代表に選出されるほどの日本屈指の選手となった織田。今後の世界大会や大学のリーグ戦での活躍が待ち遠しい。