地域の人々が健康で笑顔あふれる生活を送るために、スポーツを通してコミュニティ作りを推進するオール青山スポーツコミュニティ。今回はこのプロジェクトに参加した本学体育会少林寺拳法部に所属する山田紗弥乃さん(営4)と常廣珠実さん(コ4)の二人に話を聞いた。


 このプロジェクトは多くの体育会団体が参加し、それぞれのブースに分かれて出し物を行った。少林寺拳法部は技や型などの体験を通して交流を深めた。そして、今回のプロジェクトの最後には、2024年の元日に起きた能登半島地震の話を、実際に復興活動を行っている角田寛和さんから聞いたそうだ。復興活動に関心を持った二人はプロジェクトの一員として3月初旬に能登半島を訪れた。


 二人は「復興はほとんど終わっていると思っていたが、実際に訪れると、体育館での生活を余儀なくされている人が多くいてとても驚いた」と、訪れたことによって被災地の印象が大きく変わったことを話した。学校が被災して遊ぶ場所がないために運動量が足りていない子どもたちを見て、復興は全く終わっていないと強く感じたという。一方で、山田さんは「小学校に出向き、多くのスポーツを経験する子どもたちの姿を見て、このプロジェクトが子どもたちの成長や楽しい思い出作りの一助になっていることが感じられてとてもうれしかった」という。


 このプロジェクトを通して、子どもたちだけではなく二人も大きな成長を得たそうだ。山田さんは「自分のためにやっていた少林寺拳法で、誰かが何かを始めるきっかけに携わることができた」とうれしげに話し、常廣さんは「少林寺拳法は楽しむためにやるという本質的なものを思い出した」と学びを語った。


 スポーツの力を改めて実感した二人。自分たちが打ち込んできた少林寺拳法が誰かの笑顔につながった経験は、今後のスポーツ支援の輪を広げることになるだろう。