
Music Box Society(以下、MBS)は約140人が所属し、設立から13年目になる本学公認のアカペラ愛好団体である。今回は、メンバーの森朝陽さん(法3)、小山歩さん(営3)、広報長の田中かれんさん(教3)、そして副代表の田中洋至さん(国政3)に話を聞いた。
MBSでは、友達同士ややりたい曲をもとに4~7人ほどでバンドを組んでいる。その際、自分たちで楽譜を作成して歌うこともあるという。楽しくやるバンドや上達を目指すバンドなど様々なバンドがあるが、全体としては和やかな雰囲気で活動しており、異なるバンドに重複して入っている人も多いと話す。
4人がアカペラを始めたきっかけはそれぞれ異なる。森さんは「Little Glee Monster」と幼少期に出会ったことで歌うことが好きになり、そこからアカペラにも関心を抱くようになったという。小山さんと田中洋さんは、中高生のころにテレビや動画で見たアカペラのパフォーマンスに憧れたと話す。田中かさんはアカペラをやっている知人に影響されて興味を持ったという。4人のように入会する前から多くのバンドの曲を鑑賞しアカペラに詳しい状態で入ってくる人もいるが、ほとんどのメンバーは歌が好きだという理由で入会してくる初心者だったという。さらに、MBS内で好きなバンドについて聞くと、森さんは同期のディズニー好きのメンバーで組んだ「Enchanted frienDs」を挙げ、映画の中に引き込まれるような雰囲気があると教えてくれた。また、同期の三年生で結成された「Youtopia」は大阪万博で開催されたアカペラライブに出演するなど、MBSの中でも特に活躍しているバンドで、ぜひ注目してほしいと田中かさんは話した。
アカペラは楽器を使わずに声のみで表現するため、コンディションの違いによる音程の変動に対応し、全員の声をうまく統合する必要がある。また、少人数で歌うため一人一人の声が際立つことなどが難しい点だと4人は話す。しかし、自分のパートを自分色にアレンジできる自由さやハモったときの一体感、歌に自分の気持ちが反映されやすいため歌詞を深く考察できることに魅力があるとも話した。
活動における大きな目標の一つとしてライブがある。アカペラバンド同士で行われる交流ライブでは歌唱技術やアレンジなどについての意見交換が行われる。また、MBSはストリートライブにも参加しており、通りがかった人々から注目されることもあるという。しかし、メインとなるライブはやはり、一年間の集大成となるサークルライブだという。「サークルライブで、多くのバンドの中から自身のバンドがトリを務めることができてとても嬉しかった」と田中洋さんは話す。このことからも、MBSがどれだけこのライブに熱量を注いでいるかが分かるだろう。サークルライブの最後にはメンバー全員が一体となって歌う全体曲の演奏がある。この全体曲は一年の終わりを感じさせ、とても感動的で印象に残ると4人は語った。
鑑賞の際、ボイスパーカッションや高音・低音などの人間離れした声に注目すると面白いと4人は話す。また、好きなバンドを見つけることで応援する楽しみやそのバンドの演奏を基準にすることで、他のバンドとの演奏の比較がしやすくなりアレンジによる曲の変化や新しい一面を発見しやすくなるという。また、アカペラにはスキャットというコーラス用の歌詞があり、バンドごとに異なる工夫がされているため注目してみると面白いとも話した。
MBSは、聞き合うことでアカペラの楽しさや感動を共有することを目標に活動しており、アカペラの魅力を伝えるために毎年多くのバンドがライブに参加している。今年度も、相模原祭・青山祭両祭でのライブが計画され、2026年2月末にはサークルライブも予定されている。ぜひともライブに足を運び、アカペラの楽しさや熱気を体験してみてはいかがだろうか。