体育会アーチェリー部は、土曜日と平日の好きな時に必ず1度は練習をすることになっており、体育会の部活のなかでは練習日数の縛りが少ないことが特徴である。長期休み中も平日の練習は午前中だけなので、午後は資格勉強やアルバイトなど自分の時間を過ごすことができるという。

 アーチェリーの強豪校ではスポーツ推薦をとっており経験者であることが入部の前提になっていることも珍しくない。だが、現在のアーチェリー部には、推薦で入学している選手がいないため、初心者から始める人も多い。28人いる部員の中で経験者は2人だけで、中学生の頃にアーチェリーを始めた岸本がそのうちの1人だ。「体育会に入りたいが、アルバイトと両立したいという人や、中高で他のスポーツをしていたが、マイナースポーツもやりたいという思いを動機に入部を決める人が多い」と岸本は話した。また、アーチェリー部に興味を持っている新入生に向けて「初心者でも不安を感じなくても大丈夫。何でもやりたい、全部やりたい、頑張りたいという人はぜひ入ってほしい。サポートは全力する」と笑顔で話した。

アーチェリーをやっていて大変なことを聞くと「メンタルが大事なスポーツなので、調子が悪く、点数に頭を取られてしまっている時でも、自分でメンタルをコントロールしないといけないことだ」と話す岸本。一方で、自分の感情をコントロールする方法を知ることができることや、大学の授業でアーチェリーのことを挙げるとその珍しさから興味を持たれることが多いため、やっていてよかったと感じるという。

 体育会アーチェリー部は、以前は1部リーグに所属していたが、10年ほど前に2部リーグに降格してしまった。そのため、今は1部に昇格することを目標として「強い青学」の復活を掲げている。2部リーグでは的までの距離が30または50メートルであるがオリンピック、全国大会、インカレなどの重要な大会では70メートルの距離から撃つことが求められるため、毎日その距離から練習できる環境を生かして、長い距離を打つことができる部員を育てることを今後の課題としている。これからのアーチェリー部に期待が高まる。