

経営学部では必修となる「会計学」。尹志煌教授はこの会計学を学生時代から志していたそうだ。そのきっかけは高校時代。在日コリアンとして差別と救済に触れた尹教授は日本に、そしてアジアに貢献するために自身にできることを考えた。当時は、「EU」が誕生しヨーロッパが一体となっていった時期であった。そのような社会の変化から「アジアもヨーロッパのように、共同体として歩むことはできないだろうか。『AU』のような組織ができたとき、自分はどのように貢献できるだろうか」と考えた。その結果出会ったのが「国際会計論」だった。38しかなかった偏差値を1年間の浪人生活を経て、80まで上昇させ、大学に進学。実家の倒産など多くの困難に直面しながらも、文字通り寝る間も惜しんで学問を修めていったという。また「日本の武道を韓国へ伝えたい」という思いの下始めた合気道も、今年で25年目であるそうだ。まさに文武両道を体現しているといえる。
会計学の魅力について、尹教授はその端的さにあると語る。会計学は嘘をつけない学問だ。数字に基づき経済を分析することができる会計学は日本の企業だけではなく、世界の企業を客観的に評価することができる。また、現在日本でも導入が検討されている「国際会計基準」に関しても、統計学を使い妥当性を研究している。「日本の意思として国際会計基準を導入できるようにしたい」と語った。
最後に本学学生に対して「主体的であれ」とメッセージを送った。今まで自身で道を切り拓いてきた尹教授は、個性ある人生を生きるために、惰性で人生を選択しないで欲しいと話す。就職や、さらなる進学、資格取得。この言葉は、これからも多くの選択に迫られる私たちの背中を押してくれるだろう。