9月14~17日に、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で天皇賜盃第92回日本学生陸上競技対校選手権大会が開催された。今回は、女子100mHで準優勝を果たした長﨑さゆり(社4)に話を聞いた。長﨑は去年の全日本インカレでも女子100mHで決勝に出場し、4位入賞に輝いている。
決勝を振り返って、長﨑は「実はあまり覚えていなくて、ピストルが鳴ったらもうレースが終わっていたという感じ。人生の中で一番いいレースができたのかなと思う」と語る。決勝ではスタートをいい形で切り、中盤以降の加速も他の選手よりあったと感じたそうだ。ラストは、関東インカレでも戦った島野真生(日体大4)、昨年の全日本インカレ覇者である田中きよの(駿河台大4)と並んでゴールした。結果は、島野が13秒31で優勝、長﨑が13秒32(13秒313)で準優勝、田中が13秒32(13秒319)で3位となった。「最後粘り切ることができず、0秒01の差で負けてしまったのはとても悔しいが、自分の持っている力が出し切れたレースだったと思う」と悔しさも口にしつつ回顧した。今大会、長﨑は予選で13秒41を出して自己ベストを更新し、決勝では13秒32を出しさらに更新した。
また、決勝の裏側についても話してくれた。実は決勝の直前、招集の時に足がつってしまった長﨑だったが、監督からもらった「勝ち負けにこだわらず、自分にとって一番いいレースをして下さい」という言葉を思い出したそうだ。
さらに決勝で戦った島野について「高校生の頃からずっと戦っていて、勝負強い選手だと思っている。関東インカレの時よりも、お互いに負けたくない思いが強いと感じた」と話す。
また、今シーズンも振り返ってもらった。日本一を目指し、自己ベストを更新できたがその後怪我をした長﨑。それから続けてきた負荷がかかる練習を乗り越えられたのは、チームメンバーの陸上への思いが強かったからだという。「レベルの高い同世代の選手との高め合いもあり、結果を残すことができた。今回で100mHのレースが最後となり、寂しい気持ちもあったが、10年間ハードルをやってきて、一番いい形で締めくくられたと思う」と笑みを浮かべた。
100mHという競技の魅力について聞くと「スプリントがなくても、技術でカバーすることができるところ」と答えた。どんな選手でも自分次第で競技結果を変えることができるのが特徴だそうだ。
最後に、後輩のハードル選手へのメッセージを聞くと「ハードルのレベルが高くなり、その中で悔しい思いをした後輩たちも多くいるが、その悔しさがあれば絶対に力はつく。今回の自分の走りで頑張りたいと思う子たちがいれば、自分の記録を抜かしてよりレベルの高いレースで活躍してほしい」とエールを送った。今後のハードル競技がさらに盛り上がることが期待される。