マルチな活躍を見せるお笑い芸人・にしおかすみこさんにインタビューした。
気軽に外へ出歩くこともできず、鬱々とした日々を過ごす中、一つの動画と出会った。『にしおかすみこ SM全力坂〜三年坂〜』。あのボンテージ姿でムチを片手に、坂を全力で駆け上がり、決め台詞を一発。1分にも満たないその動画は、記者の鬱憤を一瞬で吹き飛ばしてくれた。
そんなにしおかさんは、実は本学経済学部の卒業生。本学への入学を決めたきっかけは、一般受験での合格である。小学校から高校までとは異なり、親の庇護から外れる大学は、「やりたいことを見つける時間」という両親からの贈り物だったと振り返る。19歳でオーディションに合格。そこからお笑い芸人として歩むと同時に、東京への憧れを胸にスタートさせた学生生活は、授業にサークル、そしてネタ見せを繰り返す毎日だったそうだ。最初の授業で仲良くなった友人とは今も仲良しだと笑顔で教えてくれた。
飲食店でバイトをしながら、夢に向かってひた走る中、甘酸っぱい恋もあったとか。「そんなに社交的じゃなかった」と言いつつ当時の恋を聞かせてくれた。ちなみに恋のお相手の話は、ネタにもなっている。
お笑い芸人という道を、学生時代からすでに自分で切り拓いてきたにしおかさん。時には不安に駆られたこともあったという。それは、大学3年生の時だった。
「周りがリクルートスーツを着て面接に行く中、私はジャージを着て段ボールを持ってネタ見せに行っていた。まるで脱線したような気になった」。
それでも就活を選ばなかったのは、すぐに売れると確信していたから。「そんなことなかったんだけどね」と、女王様に上り詰めるまでを振り返った。
学生に対する印象について、「やりたいことを思う存分できなくて心苦しいだろう」と慮る一方、「たくましいとも思う」と答えてくれた。やりたいことが見つからないのなら、「得意不得意ではなくて、好きかどうかで判断して、とりあえずやってみるといい。やってみて違うならやめてもいいし」と優しく背中を押してくれた。
最後に私たちへ、「楽しく笑いが溢れる人生を。悩んだ時は損得感情で決断しない。出会いは宝だから、出会いがたくさんあることは宝物がたくさんあるということ」とメッセージをくれた。